段ボールの起源や名前の由来について|段ボールの歴史を簡単にご紹介!

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パッケージ事業部の増子です。
 
前回、生地の構造が段ボールの構造とよく似ているためダンボールニットという名前がついたという生地があると書いたのですが、そもそも『段ボール』という名前はどこからきたのでしょう?
前回の記事はこちら↓
段ボールの強さの秘密|トラス構造とは?段ボールケースメーカーの簡単解説

いつでもどこでも身近にあり、当たり前に段ボールと呼んでいて考えたこともなかったので、今回は段ボールの名前の由来や段ボールはどのようにして出来たのか、誰が作ったのかなどを調べてみました。

起源

シルクハットの男性
🔶 1856年のイギリス 🔶
シルクハットの内側の汗を吸収するための汗とり用として、紙に段をつけたもの(紙を波々にして湿気を吸いやすくする)が開発されたのが起源といわれている。
シルクハットの内側に通気とクッションを兼ね備えた素材としてE.C.ヒアリーとE.E.アレンが特許を取得。

包装材として

🔶 1871年のアメリカ 🔶
アメリカで初めて包装材として使われ始める。
波型の厚紙が持つクッション性が注目され、当時使用されていたおがくずに替わる緩衝材として、
石油ランプやガラス製品の輸送時の包装材に使用され、包装資材として利用されるようになる。
紙に段をつけただけのもので“繰りっ放し”としてAL.ジョーンズが特許を取得。
 
🔶 1874年のアメリカ 🔶
段が伸びてしまうのを防ぐ為に、段の片側にライナーを張り合わせたものが開発され、びん・壺などの包装に使われ始めるようになる。
“片面段ボール”としてO.ロングが特許を取得。

段ボール箱の登場

段ボール箱
🔶1882年のアメリカ 🔶
R.H.トンプソンが、両面段ボールを考案し特許を取得。
 
🔶1894年のアメリカ 🔶
段ボールシートに溝切りと断裁を施した段ボール箱が初めて製造された。
 
🔶1895年のアメリカ 🔶
ウェルズ・ファーゴ銀行が小口貨物の輸送用に段ボールを外装用として使用を始めた。

日本の段ボールの発祥

日本の国旗
🔶 1909(明治42)年 🔶
繰りっ放し(紙に段をつけたもの)が伝来されたのは明治時代。当時は輸入品しか存在していなかった。
この波状のうねうねがなまこのように見える、ということから「なまこ紙」という名称で呼ばれていた。
輸入品ばかりで価格が高騰し、なかなか日本で普及していなかった。
 
井上貞治郎氏が綿繰り機をヒントに機械を自ら考案し製造機を自作し、見よう見まねの独学で包装紙作りを始める。
上手く波形が作れず悪戦苦闘するが、紙を湿らせ七輪の熱であぶりつつ波形を作るという製法をあみ出し、ついに “なまこ紙(繰りっ放し)”の国産製品化に成功する。
 
画期的な商品であると印象付けるため、なまこ紙に代わる新しい名前を考案する。
弾力紙・浪形紙・防衝紙・波型紙・波状紙・弾力紙・波型ボール・しぼりボールなどなどのネーミング案の中から、見た目が段々だから「段の付いたボール紙」であることが単純で解かりやすく、語呂も良いことから「段ボール」と命名し、その後実用新案を取得し「特許段ボール」として販売した。
*段ボールはボール紙で出来ており、ボール紙は英語で 「paper board」 (板のような紙) です。
段ボールの 『ボール』 というのは、「board (板)」が日本人には「ボール」に聞こえたことからボール紙と呼ばれるようになった。
 
香水の瓶を入れる箱の作成依頼があり段ボール箱作りに着手する。
ボール紙を両面に貼り付けた上で、なんとか製品化にこぎつけ大評判となる。
電球を入れる箱などにも利用され、国産段ボールが大ヒットとなった。

段ボールが日本中に普及し、井上貞治郎氏の会社は段ボール製造販売会社日本一となった。
日本で初めて段ボールを事業化した井上貞治郎氏は、今の大手製紙会社であるレンゴー株式会社の創業者です。

歴史を紐解いての所感

段ボールの発祥がシルクハットの内側の汗取り紙だったとは思いもよらず、驚きましたが、重くなかったのかな?取り替えないと湿気る気もするけどどうしてたんだろう。。。という疑問も一緒に残りました。

並々になっている紙をみて「なまこのように見える」という日本人の想像力も半端ないですよね?
いつでもデスクにある並々(中芯)ですが、じぃ~っと見つめても、なまこにはどうしても見えない私であります・・・。

今では当たり前にある段ボールですが、紙を並々にして利用し、並々に紙を張り付けた片段が生み出され、両面貼り付けた板を経て箱型にして利用するようになったという歴史に触れて、段ボールって進化し続けてきたんだなと段ボールの見方がちょこっと変わりました。(←どう変わったの?)

日本では段ボールの父とまで言われる井上氏の、発想・創造性、チャレンジ精神や努力、苦労などから生まれたものだったんですね。凄い方だなぁ~と遠目で尊敬するしかなく、ただ有難い限りです。
1963年には井上貞治郎氏を主人公にしたドラマが作成されているそうです。
(タイトル:「きんとま一代」主演:森繁久彌)
「私の履歴書ー放浪の末、段ボールを思いつく」井上貞治郎(著)という書籍もありますね。
面白そうなので読んでみようと思います。

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