被災地に届け!【簡易トイレの開発 その2】

こんにちは。東京支社総合企画部の越川です。
主に段ボール製什器やディスプレイの設計と、サンプルの試作を担当しています。
 
今年は新型コロナウイルス感染拡大により、日常生活の中で我慢を強いられる事が多々ありました。
一方では新しい生活スタイルの提案も広がり、少し明るい未来が見えたようにも感じます。
年末年始も感染対策をしつつ過ごす事になると思いますが、新しい気持ちで新年を迎えたいですね。

もっと良くしたい! 開発途中の簡易トイレ

今年やり残した事を挙げると、いろいろと出てくるのですが、
年内に、きちんと形にしておきたいものの一つが段ボール製簡易トイレです。
豊栄産業が得意な段ボール素材を使った防災用品として試作を始めたアイテムです。
 
以前の記事で開発途中の様子をお届けしましたが、実際に使用する場面を想像した時に、
もっと必要な機能や、付加できるアイデアはないかと考えていました。

避難所生活の深刻なトイレ事情

引き続き避難所でのトイレ事情を調べてみると、衛生管理が徹底していないために、
不快な思いをされている被災者が増えている事が分かりました。
 
衛生環境の悪化は、被災者がトイレの使用を諦め排泄を我慢したり、
水分摂取を控える事で、健康被害にも繋がっているようです。
健康被害は被災者の心身の機能低下や、様々な疾患を引き起こします。
特にコロナ禍では、より徹底した衛生管理と感染症対策も必要です。
 
電気・水道・ガス・下水道といったライフラインと同様に、避難所でのトイレ環境は、
速やかに整備されなくてはならない部分です。
災害発生直後~3日間は、断水のため既設トイレの使用ができません。
マンホールトイレや仮設トイレが使用できるようになるには、1~2週間程掛かります。

備えて安心 簡易トイレ

備蓄としての段ボール製簡易トイレであれば、必要数の確保が可能です。
緊急時にさっと組み立てて、設置するだけ。
和式トイレの使用が困難な方々にも、楽な姿勢で座れる座面になっています。
衛生面を考慮し1回の使用の後に、ポリ袋の交換を推奨しているので、
既製のポリ袋をスムーズにセットできるサイズになっています。
 
トイレ本体の完成後に、強度の検証やサイズの見直しをしながら、
もっと工夫できる箇所も同時に探していました。
設置場所が限定されていても、できるだけ不便に感じる事がないように、
あったら便利だなと思えるものはどんな機能かと考え、2点追加したものがあります。
ひとつはトイレットペーパーのホルダーです。
簡易トイレは、主に既設トイレの個室に設置して使われますが、それ以外の場所に置かれた場合、
トイレットペーパーの置き場も必要になるのではと考えました。
もうひとつは、交換用のポリ袋といった、その場で必要なものをストックしたり、
一時置きのスペースとして使って貰えるようなポケットを作りました。
どちらも組み立ての最後に、本体に差し込んで取り付ける仕様なので、使用の有無も選べます。
【トイレットペーパーホルダー】
【ストックBOX】
トイレ本体を試作している期間は、気持ち良く使って貰えるものを作りたいという気持ちと、
非常時に簡易トイレを使わなくてはならない状況は回避したいという相反する思いを持って
進めていました。
今回試作したホルダーやポケットについては、簡易トイレ本体をより快適に使って貰えるように
と考え、
前向きに取り組む事ができました。
 
本体の試作の様子は、こちらの記事をご覧下さい。
被災地に届け!<簡易トイレの開発> https://howay.com/wp/sp/2123/
 
豊栄産業では、段ボール製のベッドやパーティションといった防災用品を多数開発しております。
避難所で使用する備蓄用防災ツールでお困りの方は是非一度弊社にご相談下さい。
各自治体・企業様の避難場所に合わせたサイズでの作成が可能です。
 

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