上げ下げできて容量可変!トリッキーなジャンブル什器のご紹介|お客様の「欲しい」を刺激!
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こんにちは!
豊栄産業なんでも設計担当の小畑です。
店舗でしばしば見かける売り場ディスプレイの中に「ジャンブル什器(投げ込み什器)」と呼ばれる汎用性の高いツールがあります。
商品陳列が楽なうえに売り場で目立つといった特長を持つ優等生なのですが、今日はそんな優等生を特待生に格上げするために試行錯誤してみました。その内容を簡単に言うと、商品が減ってきたら、そのまま2段階で嵩上げできる機能を追加する!!
これにより商品を補充する前のつなぎとしてボリューム感をアップできるので、商品が売れやすい見栄えの良い状態を維持することに役立ちます。では一体どんな方法でジャンブル什器の天板を上げ下げできるのか!?興味をそそられませんか?
商品を載せたままバランスよく上下動させる方法とは!? 。。。それでは、いざスタート。
容量可変のイメージ
今回はドリップコーヒーを題材にして見てみましょう。投げ込まれた商品が売れて徐々に減ってきました。この段階である方法をとって天板を上げることで見栄えの良い状態に戻すことができるのですが、果たしてそう上手く行くのでしょうか⁈
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
上下動させる仕組みについて
今回検討した方法は下記3種類です。
A.回転運動を上下運動に変える方法
メリーゴーランドの木馬の上下動に使われているカム機構など
B.伸縮を利用する方法
パンタグラフ式マジックハンドや車載用パンタグラフジャッキなど
C.滑車の原理を利用する方法
井戸の水汲みやエレベーターなど
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今回採用した仕組みは?
どんな方法で動かすか?を考える際、あくまで什器のベースは段ボールであることからコストや組み立てやすさが重要になります。これらを考慮した結果、Cの滑車の原理を応用することにしました。そこで押さえておきたいポイントは下記3点となります。
①動かしやすく固定方法が楽なこと。
②ある程度の耐久性と耐荷重があること。
③天板が常に水平を保ち安定していること。
これら3点を踏まえた結果、下図のような仕様となりました。
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耐荷重はどのくらい?
両側面の高さ調整板を1段階下げることで天板を1段階上げることができます。このとき最下段用の補強から離れた天板は宙吊り状態になっています。この什器として最も過酷な状態で耐荷重テストを実施しました。天板に500mlのペットボトル16本の約8kgを載せた静止状態で1ヶ月間経過しましたが、今のところ損傷箇所も見られず安全な状態をキープしています!

商品を載せた状態での上げ下ろしは何kgまで可能か!?
天板に500mlのペットボトルを載せて本数を1本ずつ増やしていきます。写真Aのように下に引っ張りながらフックを掛けて固定する方法だと6本(約3kg)で持ち手部分がちぎれてしまいました(写真B)。写真サンプルの材質はB/fグラビアベタなので少し強度が落ちますが、オフセット印刷仕様で板紙310g/㎡の片段合紙にすればもう少し耐えるとは思います。。。でも、
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「3kgも持ち上げれないの?使い勝手が悪くない?」というお声を聞くのは寂しいので、天板を引き上げる方法を変えてみます。
写真Cのように①真上に持ち上げてから②フックを引っ掛ける方法にすると10本(約5kg)は問題なくクリアできました。もう少し重くてもいけますが(下の動画にて検証済み)、これ以上はちょっとした筋トレ状態になるので無理は禁物ですね。。。
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耐久性はどのくらい?
上記の検証結果を踏まえ、真上に持ち上げてからフックを引っ掛ける方法で天板にペットボトル6本(約3kg)を載せて3段階の移動を100回(1日10回×10日)させた後の損傷具合を見てみましょう。

①フックを受ける側面の穴
引っ掛ける時にフックがぶつかった穴の左右を中心に傷んでいますが、穴の内側には補強として1.5mm厚の3枚合紙が貼られているので機能的な損傷は見受けられません。

②フックを固定した持ち手部分とその周辺
前出の検証(写真B)ではちぎれてしまいましたが、今回は同じ3kgでも持ち上げる方法を変えたことで負荷が軽減された為、機能的な損傷は見受けられません。
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③天板と一体型の高さ調整板
こちらも幅を広く設定したことと天板からベルトへとつながる付け根部分に大きめのR(曲線)を付けたことで負荷が分散された為、機能的な損傷は見受けられません。
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④ベルトを通す穴の内側
補強として1.5mm厚の3枚合紙をフックの穴を含めた一体型の板として貼り付けています。ベルトと干渉する角を中心に紙の剥離が発生していますが、これ以上進行する可能性は低く機能的な損傷は見受けられません。

動き方はどんな感じなの!?
以上、什器の概要について見ていただきましたが、実際に動かしている様子も気になるかと思いますので、最後にイメージ動画を御覧ください!
今日のまとめ
いかがでしたか!?今回はジャンブル什器が優等生から特待生へと変貌を遂げようとする姿をご覧いただきました。
段ボール製の売り場ディスプレイには定番化された様々なツールがありますが、定着しているからといって必ずしもそこに課題がない訳ではありません。「こういうものだから」と思い込むことで思考を停止せず、「こんなことできないかな?」という視点を忘れずに今後も紙器設計に精進してまいります。
このように、私たちは『既存の商品に付加価値を付けることで魅力的な商品へと昇華させる』そんな理想を追い求め、日々試行錯誤を繰り返しています。
こんなことできるかな?あれにはどれくらい費用がかかるかな?といったセールスプロモーションやパッケージ、その他様々なアイテムに関するご相談はぜひ豊栄産業まで、よろしくお願いします!
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